「饅頭に、なぜ〝頭〟と いう字が使われるのか!?」
日本では主に甘い和菓子を指す饅頭ですが、中国では小麦粉を練って丸くまとめてふかした食べ物全般を指し、
中国北部では主食になっています。
饅頭という言葉が生まれたのは、三世紀前半。
『三国志』で有名な諸葛孔明が南蛮征伐のために出かけた地で、濾水という川に進軍を妨げられました。
その地には「濾水を渡るためには人の頭を水神に供えなければならない」という言い伝えがありました。
しかし、彼はその言い伝えに従わず、羊や豚の肉を小麦粉に練り込み、人の頭の形にしたものを祭壇に供えました。
おかげで波は静まり、諸葛孔明は兵士たちと一緒に濾水を渡ることができたのです。
その後、小麦粉を練った食べ物のことを「蛮頭(マントウ)」と呼ぶようになりました。
しかし、蛮という漢字は食べ物にはそぐわないために、「饅頭」になりました。
日本に饅頭が伝わったのは、南北朝時代の初期といわれています。
このとき、日本人の嗜好に合わせ、小麦粉を練った生地の中に餡を入れた饅頭を作りはじめたそうです。